イブニクルのゲーム紹介
イブニクルは2015年4月にアリスソフトから発売され、
後に「萌えゲーアワード2015 やりこみ系作品賞」を受賞した作品です。
発売当時でもあまり見かけなくなったオーソドックスな2DフィールドタイプのRPGで、主人公のアスタはお嫁さんを次々とパーティーメンバーへ入れて進行します。
イブニクルのストーリー
「一人の人間が生涯に一人まで伴侶をもうけることができる」という創生の聖母イブが定めた戒律があったが、モンスターを退治する騎士たちは強力な子孫を生み出す可能性があることからこの戒律は例外とされていた。
小さな島で双子の姉妹によって育てられたアスタは、やがて二人をお嫁さんにしたいと思う気持ちが強くなり、騎士を目指して島から旅経つことを決意する。
海を泳いで王国を目指したアスタだったがやがて力尽きて気を失ってしまう…。
その後、海岸で倒れてたアスタに1人の少女が声をかけてきた。
イブニクルのシステム
イブニクルは2Dフィールドを駆け回るオーソドックスなRPGです。
各地を廻りながら騎士としてのランクを上げ、多くのお嫁さんを娶ることを目的とします。
行く先々で訪れる街では装備を整えたり冒険に関する情報を得ることができるだけでなく、経験値が規定に達しているとレベル神に会うことでレベルアップも可能です。
フィールドを歩いてればいつ敵と遭遇するかわかりません。
事前に戦闘で使用するスキルをキャラクターごとに選択しておく必要があり、スキルポイントの範囲内で物理攻撃、魔法攻撃、支援、能力などをセットします。
戦闘に入ると順番が回ってきたキャラクターから基本攻撃やスキルを実行できます。
各キャラクターにはBPが設けられており、ターンが回ってくるごとに1ずつ加算され最大5まで溜めることができます。
スキルを使用することで応じた数のBPが消費されます。
イブニクルの戦闘の鍵を握るのはセットしたスキル、BPの使いどころです。
消費1の弱いスキルを小出しに使うか、一気に5まで溜めて強力なスキルを発動して一掃するかなどBPの残量を考慮しながら臨機応変の戦略が必要となります。
ゲームが進めばアスタは多くのお嫁さんを娶ることができるようになります。
自宅に戻るとお好みのお嫁さんと「嫁イベント」が実行できるようになり、会話イベントや愛の営みなどでCGをゲットしたり強化することもできるので一定の合間で何度も戻ることになります。
他にも広大なフィールドで珍しい物や場所を発見していく「フィールド百景」、本編と関係ない難敵の「大怪獣」へ挑戦、アリスソフトのゲームではお馴染みの「女の子モンスターの捕獲」などのやり込み要素があります。
イブニクルのレビュ―
【採点は10点満点、総評はトータル】
キャラクター
【9点】
女の子を見かけると見境なくエッチしたくなる明るくスケベな主人公アスタは騎士としてのランクを上げていくことでラミアス、リッシュ、グリグラ、キャスリンの4人のお嫁さんを娶り、ともに戦闘で戦ってくれます。
戦闘メンバーは5人で固定されますが、アタッカー、魔法使い、サポート系など非常にバランスのいいメンバーです。
他にもアスタを育ててくれた美人姉妹など戦闘に参加しないものの、嫁イベントが発生するキャラクターが数人登場します。
エロCG
【8点】
他のエロゲーに比べると非常にやわらかいタッチでデザインされたキャラクターたちがエッチシーンを披露してくれることになります。
ただアスタの性格からかシリアス展開にはならず、ほぼ「明るく楽しいエッチ」が全体的に見受けれられます。
主人公がアスタである限り仕方のないことと思って下さい。
もちろん、様々なキャラの「嫁イベント」を実行すればそれだけ多くのエッチシーンを鑑賞できる機会が高まります。
システム
【9点】
一般的なRPGと同様の操作感覚に加え、「セーブ」や「マップ移動」など頻繁に良く使うコマンドをショートカットとして登録することでワンタッチで実行できるのが非常に優れたUIです。
戦闘はとにかくBPの使いどこを考えるのが面白いし良くできています。
味方の順番やBPのたまり具合から判断して、最適で効率のいい戦い方をを自分で考える楽しさがありますが、場合によっては雑魚相手でも長期戦になることもあります。
なおレベルアップは基本的に街でレベル神に実行してもらう必要があるのでなんとなく面倒くさいイメージですが、レベル神を呼び出すアイテムもあるので、仮にダンジョンなどの冒険中にピンチになった時でもこのアイテムを使用すればその場でレベルアップしてパーティー全員のHPを全快にすることができます。
これはイブニクルではよく使うことになるテクニックです。
難易度のバランス
【7点】
ストーリーの進行は会話を読んでればだいたい次にどこへ行けばいいかはわかるのでそれほど迷うことはありません。
ただ移動中の敵とのエンカウント率が比較的高く、「逃げる」を実行するにもBPを消費してしまいます。(しかも成功率も半分くらい)
そうなると自然に戦闘回数が多くなるわけですが、マメに戦った割には後半のボス敵が急に強くなったりしてさらにレベルアップする為の戦闘を重ねる場面が稀にでてきます。
しかもレベルを上げるだけでなく最適なスキルな選択したり使いどころを上手に判断しないと倒せない強敵もいます。
「難しい」のは一部のボスのことで道中はむしろ「しんどい」と感じるところであり、ダンジョンなどでは上に書いたように「レベル神を呼び出すアイテム」を複数持っていくのは必須です。
音楽
【8点】
戦闘シーンやエッチシーンなどが気に入ってて全体的に良曲が多いです。
またフィールドのエリアごとにBGMが変わるのは新しい展開で気持ちが切り替わるので評価できるところです。
総評
【41点】
イブニクルは次々と嫁を増やしていくハーレム的なアダルトゲームではありますが、純粋にRPGとしても完成度は高い作品だと思います。
いい意味で90年代のRPGのテイストで、広大なフィールドを彷徨い敵と戦いながら街を発見し、情報を得てダンジョンなどの探索に向かいボスを倒す。
やがて船を手に入れて大海原を渡りさらなる大地へ…。
キャラクターデザインや主人公のアスタの性格はおそらく好みが別れるところかもしれないですが、こうした純粋な(?)ファンタジーRPGをプレイする機会が減ってきた現代であるからこそおすすめしたい作品です。