封緘のグラセスタのゲーム紹介
封緘(ふうかん)のグラセスタは2018年の11月に発売されたエウシュリーの王道RPGです。
エウシュリーのRPGといえば「戦女神(いくさめがみ)」シリーズが看板タイトルとして有名で、世界観やシステム、戦闘こそ近い概念がありますが、ストーリーは直接関係がなくお好みのメンバーを雇用してパーティーを編成したりチェインバトルを採用するなど独特の要素があるゲームとなっています。
封緘のグラセスタのストーリー
かつてのサマラ魔族国の亡地であり地下迷宮「黒の坑」の上に築かれた東ゴーディア王国の王都である「迎撃都市グラセスタ」。
ここでは光神殿側と魔族最強国の精鋭が激しく衝突し、兵の損耗率を人員調達することで補っていた。
ジェダル・シュバルカはテルフィオン連邦藍鷹騎士団との戦争で敗北して捕虜となりグラセスタへ奴隷として送還されてしまう。
このグラセスタでは地位すらもお金で買えてしまう国とあり、ジェダルは身分を勝ち取るために戦いへと赴くのであった。
封緘のグラセスタのシステム
このゲームでは奴隷となったジェダルを操作して成り上がるのが主な目的となり、グラセスタの城下町で人々と会話をしてイベントを発生させてストーリーを進行させます。
武器や防具の購入はもちろん、ともに戦うメンバーを雇うのもスキルをを覚えるのも地位を得るのもすべてお金(GP)が必要です。
封緘のグラセスタの世界は何をするにもお金がすべてといって過言ではありせん。
ギルドではクエストを受けて達成することで報酬をもらえるので必然的にこなしていくことになります。
冒険のメインとなるのは「黒の坑」と呼ばれるダンジョンです。
ダンジョン内は複雑な構造となっていますがマップが確認できるので迷うことはありません。
ここで魔物と戦いジェダルや仲間を鍛えながら宝物を回収したりギルドの仕事を遂行することになります。
戦闘シーンでは設定したフォーメーションで戦うことになり、フォーメンションによっては最大20人以上が参戦することも可能です。
ターンの回ってきたキャラクターから行動が実行できるので、単純に仲間の人数が多いほど有利になります。
ただ、HPがパーティー全体で統一されてるので参加人数が多いと逆に別のデメリットが発生します。(下記感想の「難易度のバランス」にて説明)
なお敵は正面だけでなく時には左右や後方にも出現して囲まれてしまうだけでなく、全滅させても後に新たな敵が控えてて2連、3連と連戦することもあります。
そして封緘のグラセスタの戦闘の特徴として「チェインバトル」が採用されています。
ターンの順番にはキャラクターだけではなく石や剣などのチェインアテムが出現し、独自に攻撃したりキャラクターの支援をすることができます。
「ストック」をすることで一時的に保留にして他のチェインアイテムと組み合わせることで強力なチェイン攻撃を発動することも可能です。
なお「封緘」を実行することで手持ちの武器や防具に素材を合成させることで強化することができます。
封緘のグラセスタのレビュ―
【採点は10点満点、総評はトータル】
キャラクター
【9点】
封緘のグラセスタのヒロインのリリカ。
特殊な事情により普段は傀儡人形「魔導操殻」に魂が宿っていますが満月の夜には人間の身体に戻ることができます。
他にも魔術師のミクリ、エルフのエクセル、鬼狐族のユナギなど様々な種族のキャラクターが登場し、お金を払うことで一定期間仲間に加わってくれますが契約期間が過ぎると離脱してしまいます。
冒険するダンジョンの敵にあわせて最適なメンバーを雇って進めることが基本になりますが、それぞれの個人イベントを進めるとやがて「盟友」となり無償でパーティに常駐してくれるようになります。
エロCG
【9点】
リリカ以外の女の子はお金を払って雇うメンバーばかりなので、エッチシーンを見るためには雇用している間に条件を満たす必要があります。
中には一度離脱させる必要のキャラもいるので過去のエウシュリーの作品のように自動で発生するとは限らないので条件はいくらか厳しくなっています。
システム
【8点】
ストーリーもシステムも王道的なRPGですが、とにかく何をするにもお金(GP)が必要なゲームです。
ダンジョンで宝を手に入れてもその時点では所持できず一度城に戻ると回収されてしまうので、必要な物はお金を払って買い戻すしかありません。
他にもスキルを覚えたり味方を雇ったりなどお金はいくらあっても困りません。
ゲームの流れ的にはダンジョンを探索して、アイテムを集めたり敵と戦いながら目的地を目指し、帰還後は新たなイベントが発生するのでメンバーを選び直したりアイテムの整理を行うことになります。
アイテムの整理は鑑定するものを考慮し頭の中で分配するのがわりと大変で、全体的に操作そのものはとくに問題ないですが戦闘の連戦など随所に面倒に感じるところがあるのはマイナスポイントにしてます。
難易度のバランス
【6点】
このゲームはダンジョン探索や普通にストーリーを進めて行く分にはそれほど難しくないですが、難易度について深く関与するのが一部の戦闘シーンとエッチシーンの発生条件です。
お金に余裕ができて仲間をたくさん雇ってパーティーの人数が充実してくればかなり楽になりますが、逆に言えば奴隷でお金がなく装備すらもろくに買えない序盤の方は苦労します。
戦闘はパーティーの人数が多い方がそれだけ味方のターンも多くなるので有利になりますが、一部のボスなど全体攻撃を使ってくる敵と対峙すると人数の多さが仇となります。
理由としては、このゲームのキャラにはそれぞれHPがありますが、戦闘中はパーティー全体のトータルのHPとして表示されます。(戦闘不参加のメンバーも含む)
その為、敵が全体攻撃を使用して3人パーティーがすべて30のダメージを受けるとトータルのダメージは90になりますが、5人パーティーの場合は150のダメージがHPから削られてしまいます。
そのため極端に弱い仲間がいたりするとさらにダメージが蓄積されるので一回の全体攻撃を食らうだけで全滅することもあります。
したがって全体攻撃を使うボスと戦う時は少数精鋭で臨む必要があり、人数が少なくなる分ダメージは抑えられますがターン的に攻撃回数が減るのでまた別の難しさがでてきます。
もう一つはキャラ個別のイベントやエッチシーンの発生条件です。
基本的にターゲットとなるキャラクターが仲間にいる状態で発生しますが、条件にはベッドで休んで「日付を進める」こともある為、お金で雇うメンバーばかりの今作では雇用期間が減って離脱の恐れも考慮しなければなりません。
さらにキャラクターによっては一度離脱させる必要があったり発生のタイミングがシビアだったりと条件が複雑なのもいます。
今までのエウシュリーのゲームのようにただ仲間に加えてゲームの進行状況や日付を進めるだけで勝手に発生してたようにはいかないので条件は厳しくなってるかと思います。
私のように雇用期間を心配してベッドに休むことを躊躇しすぎるあまり、結果として一周目はほとんどのエロシーンが見れなかったという事態もあり得るのでご注意してください。
音楽
【8点】
BGMは同ブランドの「戦女神」寄りでやや暗めのファンタジーな世界観にあった曲をメインに荘厳な曲や勇ましい曲が多々あります。
「天結いキャッスルマイスター」のフィアのような明るいキャラとは違い、ジェダルは寡黙で殺伐とした雰囲気を醸し出しているのでおちゃらけたユーモアな曲はほぼありません。
総評
【40点】
封緘のグラセスタは、難易度のところで触れましたが敵の全体攻撃やエッチイベントの発生のさせ方には少々戸惑うところではあります。
さらに戦闘が正面のグループだけでなく左右や後方から現れたり2連、3連することもあるので
めんどくせえ!!
と思うことはわりとあります。
それに戦闘の特徴ともいえるチェインバトルがそこまで大きな必要性、影響を感じられせないのが残念です。
例えば普通じゃ勝てない相手でもチェイン攻撃を上手に使えば戦況を一変できるなどもう少しインパクトのある効果がほしかったところです。
若干の面倒な部分やシステムを活かしきれていない部分こそあるものの
封緘のグラセスタというゲームそのものは「奴隷から成り上がるという」非常にわかりやすいストーリーですし次に何が待ち構えてるかダンジョン探索はワクワクできて楽しいです。
仲間を雇用するのも気分転換に色々変えて自分なりに強い組み合わせなども発見できるので常に変化が出て飽きません。
ボリューム的には4、50時間ですが二周目以降の専用イベントもありますし、アペンドディスクをインストールすれば追加ストーリーもプレイできボリュームがさらに増すのでアダルトゲームで王道のRPGを遊びたいと思ったらおすすめできる作品です!
※封緘のグラセスタのアペンドディスク「 伝説に謳われし英傑拡張パック」を遊ぶには「封緘のグラセスタ」本体のインストールが必要です。