天秤のLa DEA。~戦女神MEMORIA~のゲーム紹介
天秤のLa DEA。(ラデーア)〜戦女神MEMORIA〜は2014年にエウシュリーから発売されました。
このゲームは同ブランドの人気RPG「戦女神(いくさめがみ)」シリーズの1作目のリニューアル作品で【萌えゲーアワード2014 やりこみ系作品賞】を受賞しました。
天秤のLa DEA。~戦女神MEMORIA~のストーリー
数百年前に女神との戦いで相打ちとはいえ勝利したセリカは致命傷を負った自分の体をその女神の体を奪うことで生き延びることができた。
しかしセリカの体の主である女神は古神(いにしえがみ)と呼ばれる存在だったため、世界からは「神殺し」と罵られた。
さらに同胞の古神やその存在を許さない現神(うつつかみ)、そして魔神にまで命を狙われる立場となってしまう。
それ以来、セリカは安住できる地を求めて世界を逃げ回り、ようやく中立の立場である「水の巫女」を守護神と崇めるレウィニア国に身を寄せることになる。
そして港町ミルフェでは18年前に行方不明となったラティア王女の調査の為、セリカは廃坑の探索を開始することとなる。
天秤のLa DEA。~戦女神MEMORIA~のシステム
このゲームではミルフェの街を拠点とし、カドラ廃坑という巨大ダンジョンの探索をメインに進行します。
街では武器や防具を購入したりクエストを受注することができ、時にはキャラ別のイベントも発生します。
さらに街には二つの勢力が存在し、セリカの行動や選択などでいずれかに肩入れすることでストーリーが分岐することになります。
システムの新要素として魔物を捕獲することで「憑石」を取得することができます。
各キャラクターには武器や防具の装備の他に、「憑依」で魔物の「憑石」を最大3体まで装備することでパラメーターを上昇させたり、「支援配置」することで戦闘中にサポートを受けることができるようになります。
捕獲できる魔物は50体以上もいるので様々な効果や性能を楽しむことができます。
ゲームを進めれば、ポイント使用による機能の解放で街に新たなお店が開いたり仲間が能力を取得します。
アリシアの店では素材や魔導銃弾の売買の他、シュリが武器や防具を強化したりアイテムなどを調合してくれます。
セリカの冒険の舞台のメインになるのはカドラ廃坑です。
広大なフロアが何層も連なりセリカは縦横無尽に駆け巡ることになり、時にはイベントやボス戦が発生します。
マップはマップ画面以外にも透過表示で進行しながら確認することもできて便利です。
敵とエンカウントすると戦闘シーンに突入します。
「戦女神ZERO」や「戦女神VERITA」と同様に、待機時間が終了したキャラクターから行動が可能となり、選択した特技によってその後の待機時間も異なります。
武器や特技は属性や攻撃範囲が異なるので自軍や敵軍のフォーメーションを踏まえて効率のいい判断が望まれます。
属性の相性が悪いと敵に通常よりもダメージが与えられたなかったり、思わぬ大ダメージを食らうこともあります。
このゲームはミルフェの街とカドラ廃坑を何度も出たり入ったりすることになりますが、一部タイミングを除いてほぼいつでも街に戻れるアイテムが使用できますし、迷宮探索もある程度のポイントなら転移することで再開が可能です。
そしてセリカの行動次第でセリカ以外が主人公になる章が始まったりエンディンが分岐することもあります。
天秤のLa DEA。~戦女神MEMORIA~のレビュ―
【採点は10点満点、総評はトータル】
キャラクター
【9点】
セリカの使徒であるシュリをはじめ、レウィニア「白地龍騎士団」のレヴィア、神官戦士のロカなど魅力的な女性キャラが多数登場します。
リメイクとなって大盗賊ヴァレフォルが追加され、他にはエルフ、天使、睡魔などエウシュリー作品に多く見受けられる種族も出てきます。
エロCG
【9点】
エロシーンの発生条件は、定められたストーリーであったり、特定のイベントを達成させたりするなど様々です。
なお冒険中に女神ゲージが0に近づきセリカの女神化が始まるとパラメータに制限がかかるなどデメリットが生じます。
その時は宿屋でシュリの協力を得て性儀式を行い回復することになります。
探索を中断することを余技されることになるので女神ゲージの確認は必須です。
システム
【10点】
今回のリメイクにあたってエウシュリーの他作品の事例や設定、補足などが追加されています。
システム面については「天秤」より前に発売された「戦女神ZERO」や「戦女神VERITA」より格段に遊びやすくなっています。
とくに「ZERO」も「VERITA」も戦闘開始直後のコマンド選択時は特技などを切り替えて必要な技を選び、さらにチャージ数も指定するので実行するまでが非常に面倒に感じました。
ただ「天秤」は最初のコマンド時に特技にカーソルを合わせるだけでズラリと一覧で表示され、お気に入りの道具も優先的に表示されてるので非常にスムーズに進行するようになりました。
個人的には特技や魔法の威力を5段階から選択する「チャージ」が撤廃されたのも本当によかったと思います。
戦闘の仕様が改善されただけでもダルさもなくなった為か、「天秤」の後に「ZERO」や「VERITA」をプレイすると戦闘がしんどく感じてしまうほどです。
街などではポイントを使用して機能を解放することで新たなお店が出現したり、迷宮探索に役立つスキルを身につけたりできるので毎回何を解放するか非常に楽しみになります。
従来のエウシュリーのゲームのように武具の強化や作成の他、息抜きにクエストを受注したり、最適な「憑依」や「支援」を自分なりに研究するなどやり込める要素が多いです。
難易度のバランス
【8点】
難易度については同シリーズの「戦女神ZERO」や「戦女神VERITA」に比べると比較的易しくなったと感じました。
「ZERO」も「VERITA」も各ダンジョンの構造が序盤の方から信じられないくらい複雑な場所があったり、加えてエンカウント率が異常に高いところもあり、プレイしててストレスが溜まることも多かったです。
戦闘においても雑魚敵が全体で強かったり過酷な連戦や圧倒的不利な状況でのボス戦があったと記憶してます。
「天秤」のほとんどのダンジョンはマップ性能が非常に高いので冒険しやすいですし、上記2作であったようなプレイしててストレスでしかない理不尽な戦闘などはなく何度もやり直すような難しさは特になかったのでバランスは非常にいいと思います。
そうはいってもエウシュリーのゲームだけあってやはり属性効果だけは注意しなければなりません。
音楽
【7点】
全体的に標準以上のBGMがそろっていますが、特にズバ抜けて印象に残ったような名曲はありませんでした。
総評
【43点】
「天秤のLa DEA。」は未知のダンジョン探索の面白さに加え、捕らえた仲間を憑依させるか戦闘で支援させるかなど「憑石」の効果を色々と試すのは楽しいですし、膨大なクエスト、複数に分岐するエンディングや周回専用のイベントもあるのでボリューム、やりこみ要素的にも満足できます。
先に発売されてた「戦女神ZERO」や「戦女神VERITA」に比べると
システム面が改良され非常に快適に遊びやすくリメイクされてるので戦女神シリーズ初心者の方はこの作品からプレイすることをおすすめします。
本作をクリア後にもっと戦女神を遊びたい!と思えたら「ZERO」や「VERITA」をプレイしてみるのもいいかと思います。
ただ完全な私見ですが「天秤」より前に発売されたエウシュリーのゲームは「神採りアルケミーマイスター」以外、初心者に難しいゲームばかりの印象です。
「天秤のLa DEA。」は適度な難易度で遊べ、エウシュリーのゲームの中だけでなく、PCゲーム、エロゲー全体から判断しても王道ファンタジーRPGとして熱中できるおすすめの作品です。